◇ニューズレター5号 (抜粋)
1999年4月


目 次
退行催眠と前世療法の問題点―1
             ・ニューエイジや新新宗教における前世探しブーム
             ・ブライアン・ワイスの「前世療法」
                ―退行催眠による前世探しブームの火付け役
             ・イアン・スティーヴンソンの前世の研究
             ・シルバーバーチの退行催眠に対する見解

もう一度、スピリチュアリズムの大原則と全体像の確認を!
スピリチュアリズムの全体像を、もう一度確認してみましょう。 

            ・高級霊による史上最大のビッグ・プロジェクト
            ・スピリチュアリズムは地上における“霊的中心点”
            ・スピリチュアリズムとは、霊的真理に基づく信仰です
            ・霊的真理実践の真髄“道具意識”

≪スピリチュアリズム・ワンポイント≫
 ・臓器移植について


ニューズレター



退行催眠と前世療法の問題点  1
 ニューエイジや新新宗教における前世探しブーム


 ニューエイジや新新宗教では、前世探しが盛んに行われています。そして欧
米では、宗教レベルを超えて、科学者が前世研究に乗り出しています。

米国における前世への関心は、エドガー・ケイシーのリーディングや、1956年
のバーンスタインによるブライディー・マーフィー事件(退行催眠による輪廻転生
の真偽論争)によって先鞭がつけられました。

また英国人研究者アレキサンダー・キャノンによる退行催眠は、「過去世療法」
として人々に知られるようになっていました。(1970〜1980年)

 そうした土台の上に、ニューエイジ運動が到来し、女優シャーリー・マクレーン
の『アウト・オン・ア・リム』 『ダンシング・イン・ザ・ライト』が出版され、世界的大
ヒットを飛ばすことになったのです。

(このシャーリー・マクレーンの前世譚は、後にチャネラ−の創作であったことが
暴露され、彼女自身もそれを認め謝罪することになりました。)そして1980年
代後半から、ブライアン・ワイスによる『前世療法』がベストセラーとなり、多くの
欧米ニューエイジャーの前世探しに火をつけることになりました。現在、アメリカ
人の約4分の1が輪廻転生を信じていると言われています。

ブライアン・ワイスの『前世療法』    退行催眠による前世探しブームの火付け

 現在のアメリカにおけるニューエイジの「退行催眠」や「前世療法」の火付け役
を演じたのが、米国フロリダの精神科医ブライアン・ワイスです。ワイスの著した
『前世療法』は米国でベストセラーになり、翻訳されて日本にも紹介されていま
す。

シャーリー・マクレーンは、チャネラーのリーディングによって前世(?)を明らか
にされましたが、ワイスは学者の立場で、「退行催眠」によって他人の前世を明
らかにしようとします。

 1982年、ワイスがキャサリンという精神障害に悩む患者を催眠療法で治療し
ている時、年齢を遡らせる具体的な指示の代わりに、ついうっかり次のような指
示を与えてしまいました。

「あなたの症状の原因となった時期まで戻ってください」すると彼女は、4千年
前の中近東の過去世に戻ってしまったのです。そして彼女は、当時の名前はも
ちろん、風俗や日常生活に至るまで詳しく思い出しました。

そしてその日の退行催眠では、キャサリンはさらに二つの過去世(一つは18世
紀のスペインでの売春婦、もう一つはギリシア人女性)を思い出しました。

 それまで前世とか輪廻転生といった現象について考えたことのなかったワイ
スは、当然のことながら仰天し動揺します。

その状況をどうしても信じることができませんでした。しかし不思議なことに、そ
れまでの長期にわたる治療では治らなかったキャサリンの症状が、その時から
急激に良くなり始めたのです。

イアン・スティーヴンソンの前世の研究
 前世研究にたずさわるアメリカ人科学者として、ブライアン・ワイスと並んでそ
の名が広く知られているのが、イアン・スティーヴンソンです。イアン・スティーヴ
ンソンはヴァージニア大学医学部精神科の教授で、その厳格な前世の研究に
よって、現在世界中から最も高い信頼が寄せられています……。

 ……その彼は、『前世を記憶する子どもたち』の中で、退行催眠による前世探
求を鋭く批判しています。スティーヴンソンはその本の前書きで  「薬物を使う
にせよ瞑想や催眠を利用するにせよ、前世の記憶を意図的に探り出そうとする
ことには、あえて反対の立場を取りたいと思う。

遺憾ながら催眠の専門家の中には、催眠を使えば誰でも前世の記憶を蘇らせ
ることができるし、それにより大きな治療効果が上がるはずだと主張するか、そ
う受け取れる発言をしている者もある。私としては、心得違いの催眠ブームを…
…特に前世の記憶を探り出す確実な方法だとして催眠が用いられている状況
を、何とか終息させたいと考えている」と述べています。

  スティーヴンソンの前世研究は、まず厳密な面接調査から始まります。前世
の記憶を語る子供がいるとの情報が入れば、さっそく現地に出向いて面接調査
を開始します。

子供の語る話の内容が、他人や社会から入手されたものでないことをチェック
し、さらに、その内容が事実であるかどうかを確認します。スティーヴンソンは、
刑事事件に取り組む現代の捜査官さながらの手順を踏んで調査を進めます。

再生者本人(子供)については言うまでもなく、それを証明する人々に対しての
信頼性もチェックします。また“前世の人格”を知る人間に対して面接調査をし、
本人の語る前世の内容の裏付け調査をします。

そして前世者に関するあらゆる資料・記録(病院カルテ、検死調査書、死亡届な
ど)を収集します。

 こうした全ての面からの厳しい調査によって、子供の語る話が事実であること
が明らかにされると、次にその情報自体をさまざまな角度から分析することにな
ります。

そして前世の記憶としての信憑性に少しでも欠ける可能性のあるものを、片っ
端から消去していきます。

 例えば、潜在意識による記憶のいたずらがその一つです。……また子供が、
テレパシーによって“前世の人格”を知る人からその情報を取り入れるという可
能性も考えられます。

……また、憑依現象が起こり、あの世の霊の記憶が子供を通して語られるとい
うことも考えられます。

 ……このようにスティーヴンソンの調査と分析は細心・厳密をきわめ、前世の
記憶と紛らわしいものは全て排除され進められていきます。そうした厳しい条件
をパスしたものだけが、再生のケースの可能性があるとされるのです。

 ……スティーヴンソンの前世研究は、地上サイドにおける最高レベルのものと
言ってもよいでしょう。すでに述べたように、その研究は、可能な限りの徹底し
た厳密な調査・分析によって進められてきました。

そしてその過程で、退行催眠による前世の記憶は、そのほとんどが信頼できな
いものであることを明らかにしたのです……。


シルバーバーチの退行催眠に対する見解


 『シルバーバーチの霊訓(10巻)』には、退行催眠に対するシルバーバーチの
見解が示されています。結論を言うと、シルバーバーチは、退行催眠によって
前世を知ることはできないと述べています。

退行催眠には信頼性を置くことはできない、退行催眠による前世は事実ではな
いとしています。その理由として、シルバーバーチは、次のような点をあげてい
ます。

@ 催眠術の基本は“暗示性”にあり、被術者は必ずしも施術者の暗示どうりに
反応しているとは限らない。(「前世を思い出しなさい」という指示を出しても、被
術者が本当に前世のことを語っているかどうかは分からないということです。)

A 人間の精神には莫大な可能性が秘められており、“創造力や潜在的願望”
によって過去世の人物像が作られる。(これはスティーヴンソンが、催眠下にお
いては、潜在意識はそれまでの情報を駆使してフィクション的前世譚や前世人
格を作り上げると言っているのと同じことを指しています。)

B 霊による“憑依”の可能性がある。その場合、語られているのは憑依霊の
記憶であって、本人の前世の記憶ではない。

C 催眠中に“幽体離脱”が起こり、その間の一連の記憶が印象づけられて語
られることがある。これは本人の前世の記憶ではない。

 シルバーバーチはこうした理由をあげ、退行催眠によって前世の記憶を思い
出すことはほとんど不可能であると言うのです。

「いわゆる催眠術による遡及(退行)は頼りにならないと考えます」と述べていま
す。シルバーバーチは、スティーヴンソンが取り上げたケース以外に、「睡眠中
の幽体離脱」という別の可能性も指摘しています……。

 ……自分の前世や背後霊を知りたいという願望の本音には、自分が立派で
あることを少しでも確信したいという見栄が潜んでいます。これは、家柄、財
産、学歴などを自慢するのと同じレベルのことなのです。

地上にいる以上、私達はもっと肝心なことに意識とエネルギーを向けるべきで
す。死ねば誰もが、自分の前世を知ることができるようになります。率直に言っ
て、前世や背後霊にこだわる人間に限って、内省的でないのが実情です。


う一度、スピリチュアリズムの大原則と全体像の確認を!
スピリチュアリズムの全体像を、もう一度確認してみましょう。 

 
高級霊による史上最大のビッグ・プロジェクト


 スピリチュアリズムは、今日、欧米や日本で流行しているニューエイジや精神
世界ムーブメントとは全く次元が異なるものです。

まず、スピリチュアリズムは地上サイドから始まったものではないことを、しっか
りと理解しておかなければなりません。

スピリチュアリズムとは、霊界の高級霊団によって直接おこされた地上人類救
済のための一大事業です。

そして、それは地上においては、高級霊が働きかけるための唯一の足場なの
です。スピリチュアリズムは霊界の高級霊団によって組織された、人類史上は
じめての地球規模の大プロジェクトです。

人類が地球上に誕生して以来、何十万年という長い時がたっていますが、その
中で最大規模の大事業が、今はじめて、霊界の高級霊団によって進められて
いるのです。

かつてのナザレ人イエスを頂点として、地球に係わる何百億という高級霊が一
丸となって、この大事業を推進しています。

 高級霊団によるこの大事業は、地上の人類を救済するために、霊界の最上
層において詳細に計画・立案されました。その完璧な計画に基づいて、地球上
への働きかけがなされているのです。

高級霊の働きかけの最大の目的は、地上に「霊的真理」をもたらすことです。そ
の霊的真理は、スピリチュアリズムを通して人類に伝えられるようになっていま
す。

高級霊団の霊的真理を伝えるための働きかけは、「スピリチュアリズム」という
一点の足場に凝縮して向けられているのです。そのため高級霊団の地上にお
ける計画は、スピリチュアリズムを中心に展開することになります。

この意味で地球上で、スピリチュアリズム以上に高級霊団の意志をストレートに
反映しているものはないのです。

 また、スピリチュアリズムとは、「霊界中心主義・高級霊中心主義」ということが
できます。私達は現在地上で生活していますが、スピリチュアリズムを体現する
ためには(スピリチュアリストとして生きるためには)、自分という存在の中心点
を霊界におくことが必要です。

肉体は地上にあっても、心は霊界の一員としての立場に立つということです。
すべての物事を霊的視点から眺め判断し、高級霊を手本として行動するので
す。

そして霊界の人々と心を合わせ道具として地上に働きかける   霊界と一緒
になって地上に手を差し伸べるということです。このような立場にあるのは、スピ
リチュアリズム以外にはありません。

 それに対し、地上の宗教やニューエイジは、「地上中心主義・人間中心主義」
ということになります。霊界への興味・関心を持っているものの、それはどこまで
も地上サイドに立ってのものなのです。

地上から霊界を見上げる(仰ぐ)   地上から霊界に手を差し出すということで
す。

 このように、スピリチュアリズムと他の宗教やニューエイジでは、拠って立つと
ころが根本的に違っているのです。


スピリチュアリズムは地上における“霊的中心点”


 地球上の人類にとって最も深刻で悲惨な問題は、大半の人間の魂が物質に
閉じ込められ窒息しかけているということです。「物質主義」とそこから派生する
「利己主義」が地球上を支配し、人々の魂の成長は完全にないがしろにされて
います。

地上人類の霊的成長を阻んでいる地上の最大の“ガン”とは、この物質主義と
利己主義です。地球上のすべての問題はこの二つに起因します。そして、この
二つの地上のガンを根本から打ち砕くことができるのは、「霊的真理」以外には
ないのです。

 霊的真理を地上にもたらすという高級霊界の働きかけは、スピリチュアリズム
にストレートに向けられています。スピリチュアリズムは地上において最も霊界
に近い立場にあるため、霊界からの働きかけは、スピリチュアリズムを頂点にし
て展開していきます。

霊界からの働きかけは地上のあらゆる分野に及んでいますが、その中で、スピ
リチュアリズムは特別な立場に立っているのです……。


スピリチュアリズムとは、霊的真理に基づく信仰です


 スピリチュアリズムは、従来の地上の宗教組織を徹底して批判してきました。
本来宗教とは、神の道具として人類を霊的に新生させ、霊的成長を促すはずの
ものでした。

しかし、そうした目的に反して地上の宗教は、人々を霊的成長の道から遠ざ
け、物質・肉欲の中に閉じ込めてしまいました。人類の霊的成長に寄与するど
ころか、常に障害となってきたのです。

地上には、高級霊の目から見て合格点のつく宗教組織は一つとして存在しま
せん。そのため霊界から厳しく糾弾されてきたのです。

 さて私達は霊訓を通じて、そうしたスピリチュアリズムの宗教に対する批判を
何度も耳にしてきたため、つい、スピリチュアリズムは信仰ではないと思いがち
です。確かにスピリチュアリズムはこの世でいう宗教ではありません。

しかし、スピリチュアリズムは正真正銘の信仰です。地上にこれまで存在した信
仰の中で、最も次元の高い信仰なのです。

 シルバーバーチはよく、実践の重要性について述べています。何を信じている
かより、どんな生き方をしているのか、実際に何をしているのかが重要であると
言います。

これはスピリチュアリズムが、まさに霊的真理の実践の道であること  地上的
な言い方をすれば「信仰」であることを意味しています。

 ……私達の中には、霊的真理を学んだものの、それが人生かけての信仰に
まで至っていない人達が多く見られます。いつまでも学問のレベルに踏みとど
まったままでいる人もいます。

どれほど霊的真理を学び多くの霊的知識に通じていたとしても、実践にまで至
らなければ、それは単なる“エゴ”になってしまいます。現在のスピリチュアリスト
の中には、残念ながら、こういう人が多いように思われます。

霊的真理という最高の知識を手にしたことが、その人の自己顕示欲と結び付く
と、もはやどうにもならない弊害を生み出すことになります。霊的真理を何も知ら
ない人よりも、人間性において劣ることになってしまいます。

 繰り返しますが、スピリチュアリズムは、これまでの地上にはなかった全く新し
い信仰です。そして最も次元の高い、最も純粋で、真に魂を高める信仰実践な
のです。

霊的真理実践の真髄“道具意識”


 私達は、霊的真理の実践を通じてはじめて魂を成長させることができます。そ
のスピリチュアリズムの信仰実践の具体的内容については、これまでのニュー
ズレターで述べてきました。

それは霊主肉従の努力、苦しみの克服(甘受)、利他愛の実践、祈りという四
つでした。さらにこの四つの内容は大きく、「自己克己・自己内省(自己コントロ
ール)」と「利他愛の実践」という二つにまとめることができます。

 このうち利他愛の実践とは、自分のことより他人の幸せを優先すること、他人
のために自己を犠牲にすることです。イエスは、「人のために生命を捨てること
ほど大きな愛はない」と言っています。これは、まさに利他愛のことを言ってい
ます。
 自分のことを後回しにして、霊的真理の普及(最高の利他愛の実践)に自分
のすべてを捧げ、自分の人生を神と霊界の導きに任せることは、別の言い方を
すれば、「道具意識」を持つということです。

地上において霊的真理を伝えることほど大きな愛の行為はありませんが、その
愛が“真の利他愛”として実を結ぶためには、道具意識が不可欠です。

 ……私達は、心掛け一つで霊的真理のメッセンジャーとなれることの重要性
を忘れてはなりません。霊界総動員しての大事業の目的が、地上に霊的真理
をもたらすという一点にあること、そして霊的真理が地上の人間にとって「最高
の救い」となることを、決して忘れてはなりません。

そして私達はそうした歴史的な仕事を、霊界の人々の「地上の道具」となって、
一緒に進めていくということなのです。


≪スピリチュアリズム・ワンポイント≫


臓器移植について


 先日、日本で初めての脳死患者からの「臓器移植」が実施され大きな話題と
なりました。ご存じのようにスピリチュアリズムは、臓器移植を良しとはしていま
せん。

この度の臓器提供者や医療関係者の誠意は認めるべきですが、臓器移植自
体は霊的摂理から外れた行為です。霊的事実に対する無知から生じたものな
のです。

 臓器移植の根底には、死ねばすべて終わりであるという“唯物的思想”があり
ます。その唯物思想が、肉体生命こそ最も大切であるという“肉体生命至上主
義”をつくり出しています。

そうした唯物生命観においては“死”は敗北であり、反対に少しでも肉体生命を
永らえさせることは医学の勝利であるということになります。

 それに対しスピリチュアリズムでは、肉体はどこまでも“霊”の地上における道
具にすぎないと考えます。そして肉体生命に価値をおくことはありません。

死は何としても避けるべき悪ではなく、それどころか霊本来の世界へ帰って行く
喜ばしい時であると、正反対のとらえ方をします。

 臓器移植のような不自然な手段を講じて肉体生命を永らえさせる必要は全く
ありません。人間にとって、わずかばかりの肉体生命の延長が重要なのではな
く、魂の成長をなすことこそが重要なのです。臓器移植は、私達にとって無意味
で不必要なものなのです。

 世間では“脳死”が人間の死であるかどうかが大きな問題となりましたが、ス
ピリチュアリズムの観点から見れば、実はそうしたことは取るに足りないことで
す。

脳死であろうがなかろうが臓器移植はすべきではない、ということなのです。そ
の意味で今回の脳死移植についての賛否両論は、ともに的外れな議論をして
いるということになります……。



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